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精神科の薬はクセになるか? (6)

精神科医や心療内科医でも、ベンゾジアゼピン(精神安定剤、睡眠薬)の常用量依存(臨床用量依存)という概念をご存知でない方がいますが、他科の医師たちによるベンゾジアゼピンの処方もしばしば問題となります。

内科でも外科でも耳鼻科で眼科といった、精神科でない科の医師から眠剤を処方されている方は意外に多いのではないでしょうか。

その科にかかっている病気とは関係なく、不眠に対して眠剤を処方してもらっている場合もあるでしょうし、身体疾患の治療薬として、それとは知らずに安定剤を処方されている場合もあります(たとえばエチゾラム=デパスなどは筋弛緩作用が強いため腰痛症や筋収縮性頭痛に保険適応が認められているので、整形外科や脳外科、神経内科などでしばしば処方されます)。

いずれの場合も、ベンゾジアゼピン依存が成立するに十分な期間、連続投与されていることが少なくありません。

医学部や医大の授業でベンゾジアゼピンの依存性に言及されることは少なく、むしろ安全域の広さ(過量服用しても致死性が低い)が強調される傾向があるため、精神科以外の診療科に進んだ医師には、常用量依存という概念に触れる機会自体がありません。

結果、一般科の医師は、そもそも依存が生じていることにすら気づかないか、気づいたとしても対処の方法を知らない場合がほとんどです。

もっとも、ベンゾジアゼピンに関してある程度の知識や技術を持っている精神科医であっても、事情は大きくは変わりません。

むしろベンゾジアゼピンの使用量や使用頻度が高い分だけ、問題は広く深いと言えるかもしれません。


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2006年12月12日 13:41に投稿されたエントリーのページです。

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