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強迫性障害と行動療法(曝露反応妨害法) (2)

前記事への夕顔さんからコメントに対する回答でも少し触れましたが,ひとくちに行動療法,認知行動療法といっても,その基盤となる理論には多くの学派があり,技法も多様です。

そのなかで強迫性障害(OCD)に対する有効性が確立しているのが曝露反応妨害法であるということです。逆に言えば,行動療法と名前がつけば何でもかんでもOCDに効くというわけではありません。

曝露反応妨害法も曝露法と反応妨害法という2つの技法の組み合わせです。

曝露反応妨害法について説明する前に,まずはOCDの症状形成の成り立ちを順を追ってお話しましょう。

不安障害に分類されるOCDの中核症状はもちろん不安ですが,OCDの場合,不安を惹起する「先行刺激」が認められます。
典型的な不潔恐怖を例に挙げるならば,例えば吊り革を掴むことが先行刺激になります。
通常,OCDでは,少なくとも初期には合理的な判断力が保たれるので,吊り革はそれほど不潔ではないことや,吊り革を掴んだくらいで病気にはならないことを患者さんは理解しています。

しかし,患者さんは,例えば,「吊り革に病原性の高い細菌がついていて,それに触れたことで自分に病気が伝染するかもしれない」という考えにとりつかれます。
自分でも不合理だとわかってはいるのに抵抗しがたい着想――これを「強迫観念」と呼びます。

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2007年06月06日 21:05に投稿されたエントリーのページです。

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