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日本医師会が,「診療情報の提供に関する指針」というステートメントを発表しています。
これは主に医療機関から患者さんに診療記録(カルテなど)を開示する場合の指針なのですが,医師間で患者さんを紹介する場合の医師会のスタンスについても記述した部分があります。
長くなりますが,そのまま引用します。
「指針4-1関係
この項は、日本医師会第IV次生命倫理懇談会報告の「4(2) 医師相互間の関係」の提案を明文化したものである。専門家と非専門家との協力、診療所と病院との連携、したがって、それに伴う転医が、病院と診療所相互間で、今後、益々盛んになることが予想される。また、患者が第二医の意見、第三医の意見を求めることを希望する場面も、今後、多くなるものと思われる。
それらの中で、転医先あるいは紹介先の医師等が、その患者を以前に診療した、若しくは現在診療している医師に対して、診療上必要とされる診療情報等の提供を求める際に、備えるべき条件と手続きについて定めたのがこの指針である。周知のとおり、医師は自分が診療した患者、患者情報等について、守秘義務を負っている。したがって、患者本人以外の第三者に診療情報を提供する場合には、原則として本人の同意が必要である。この原則は、医師が他の医師に診療情報を提供する場合にも当てはまる。そこで、医師が他の医師に対して、診療上必要とされる診療情報の提供を求める場合には、患者本人の同意を得て行うべきであるとしたのが、a項である。これに対して、b項は提供を求められた医師に、同意の存在の確認を求めるとともに、各種検査記録、エックス線写真などを含めて、提供を求める医師が必要とする診療情報を提供すべきことを定めたものである。医師相互間の診療情報の提供に際しては、診療記録等の管理者としての責任を全うし、円滑な診療情報の交換を推進するため、できる限り、医師相互間で直接に、検査記録等の写しの受け渡しをすることが望ましい。
指針〔4-1〕の精神は、他の医師へ患者を紹介する際の情報提供などについても参酌されるべきである。 」
小難しい文章ではありますが,太字部分を素直に読むと,紹介状を書く場合には,まず患者さんから,個人情報を第3者(紹介先の医師)に提供することへの同意を得なければならないことになります。
紹介状の詳細な内容に関しても患者さんの同意を得るべきかどうかはこの指針には書かれていませんが,何らかの事情で転院することになった患者さんに「紹介状を作成しますが,いいですか?」と確認して,「どんなことを書くんですか?」と聞き返されたら,ある程度の内容は明かさざるを得ないような気がします。
例えば人格障害や依存症の診断が付き,かつあまり筋の良ろしくない患者さんに「紹介状の内容が納得できるものでなければ作成に同意しない」と食い下がられたら,かなり苦慮しそうです(「では紹介状は書きません」と答えたら,そのことで患者さん側に生じる不利益への保障(端的には,特定療養費とか)を求められそうな気がしますし)。
実は私が(も)ごく稀に使う手ですが,患者さんに手渡す紹介状の内容は当たり障りのないものにして,詳細な情報は別途郵便やファックスで送ることがあります。
しかし医師会の指針を四角四面に解釈するならば,このやり方は守秘義務違反ということになるのでしょうか。
>>>患者さんが自分の紹介状(診療情報提供書)を読んでよいか? (5)
コメント (1)
詳細なご説明有難うございます。
出来れば猫山先生に診て頂きたいと思いました。
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投稿者: 鹿太郎 | 2007年12月30日 21:14
日時: 2007年12月30日 21:14