パキシルの,メジャーでマイナーな副作用 (1)
性機能障害,なのですが。
なんとなく最近,パキシルを服用している患者さんから性欲低下や射精障害の訴えが多いような気がしています。
とはいっても,性機能障害がセロトニン再取込阻害薬(SSRI)のありふれた副作用であることはもともと認識してはいたのですが……。
それでもやはり説明が行き届かないというか,処方時に説明を敬遠してしまいしがちな副作用なんですよね。
日本の風土として性の問題を臨床の場に持ち出すのは憚られるようなところがあるので,薬を飲んで性機能障害が生じたと感じても,患者さんの側から切り出してくることは稀です。
一方で米国では,SSRIの中止理由の筆頭が性機能障害であると聞いたことがあります。あちらでは,患者さんがこの手の問題を口にしやすく,医療者側もそれを受け入れる素地があるということでしょうか。
通常,性機能は欲求→興奮→オルガズムという段階を踏みますが,私の印象ではパキシルを含むSSRIはいずれの段階でも性機能を障害しうるようです。
つまり,性欲低下,性的興奮の障害(例えば,男性ならばEDなど),オルガズム障害(これもまあ,男性ならば射精障害など)のいずれも,副作用として起こりえます。
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